
新型コロナウイルス蔓延の中、ひときわ「悪者扱い」をなされているが、パチンコ店だ。
全国のほとんどの店舗が休業要請に応じて自粛を決断する中、一部の店舗が営業を継続したことで、世間から批判にさらされている。パチンコ業界そのものの悪イメージもあって、パチンコそのものへの嫌悪感につながっているのも事実だ。
そもそも「三店方式」という、法的にややグレーな問題があることが「元凶」といえなくもない。
疑問をなし崩しにしてきたツケ
「『パチンコは賭博ではないのか』という指摘は前からあります。確かに新型コロナウイルス問題の中、わかりやすい『反自粛』の象徴としてマスコミの標的にされたのが大きかったとは思います。しかし、国家的危機の中にあって営業継続を強行するには、それまでの印象が悪すぎたんです。
何より、営業を強行した店に客が殺到した事実が『ギャンブル依存症』の恐ろしさを如実に表している、と見ることもできます。この状況下で通うユーザーの心理にも疑問が残ります。コロナ禍が終息した後やるべきは、パチンコ業界全体のイメージ回復と、これまでなし崩しにしてきた疑問の修正でしょう」(報道記者)
パチンコにかかわる人のすべてを否定することはできない。ただ、こうした「あからさまな業界差別」が起こっている(ように見える)のも、結局は業界、そしてユーザーのイメージの悪さが招いたことに違いない。
コロナによるバッシングは「きっかけ」に過ぎない、というのが真実なのではないだろうか。
ただ、あくまでも「わかりやすい対象」というだけで、パチンコ業界だけが問題ではないのも事実だ。
「密」という意味では、パチンコだけが問題じゃない
「水商売や大人向けの店なども、休業要請をかいくぐっている店は多く、空調設備が整ったパチンコよりもよほど『三密』といえる業種もあります。
パチンコはあまりにも『攻めやすさ』がある業界だったために餌食になってしまいましたが、他にも問題のある業種は少なくありません。そういう意味では『狙い撃ちでは?』という意見が出るのにも納得です。少々偏りすぎなのは否定できませんね。かといって、パチンコ業界の問題点を無視するわけにもいかないんですが」(同上)
アルバイトとしては時給が高いなど、従業員としては選択する道筋もあるパチンコ業界。その分「裏」もあるわけだが、コロナ禍の現在、それが完全に裏目に出ている印象は否めない。
今後パチンコ業界はどうなるのか。少なくとも、今回受けたダメージはかなり大きいといえそうだ。
(文/田中陽太郎)