
現在76勝で、JRA全国リーディング1位の川田将雅騎手。今年もC.ルメール騎手と熾烈な争いを展開しているが、そろそろリーディングが欲しいところだろう。
勝利数や連対率は文句なしの成績だが、今年はまだ重賞勝利が3勝。十分なようにも思うが、昨年15勝したことを考えると、ペースとしてはやはり鈍化している。
密な関係にある中内田充正厩舎が今年さほど成績を残せていないのも大きいかもしれないが、そんな中、思いもよらぬ「乗り替わり」が発表された。
3年前の2歳王者で重賞5勝のダノンプレミアム(牡5 栗東/中内田充正厩舎)が、国内戦で初の乗り替わりとなる。
「ダノン離れ」が始まった
「D.レーン騎手が騎乗して、安田記念出走が『サンスポ』で発表されました。オーストラリアの若き天才ジョッキーに手綱が移ることになります。
今年初戦となった豪G1クイーンエリザベスS(3着)こそ現地の騎手でしたが、それ以外はすべて川田騎手が騎乗してきました。それだけに衝撃は大きいですよね。
レーン騎手は16日の京王杯SCで同じくダノンスマッシュに騎乗し、積極的な逃げ戦法で勝利しています。馬場を読み切った好騎乗ということで絶賛されていましたが、オーナーの信頼も大きくなったということではないでしょうか。
川田騎手は馬主『ダノックス』とはここ数年蜜月で、ダノンプレミアム、ダノンファンタジー、ダノンスマッシュ、ダノンチェイサーを川田騎手にあてがっていました。ただ、このコンビでG1を勝利したのはダノンプレミアムの朝日杯FSのみ。オーナーとしてもいよいよ方針転換をしたということではないでしょうか。今後は『川田離れ』が進むのでは、といわれています」(競技記者)
競馬は結果がすべて。最有力ながらもG1でなかなか勝てない日々が続けば、簡単に乗り替わってしまう世界である。それは、トップジョッキーの川田騎手も例外ではない。
ただ、乗り替わったレーン騎手にも、心配がないわけではない。
レーンは「いい時と悪い時」がはっきり?
「時に目を見張るようなレースを見せるレーン騎手ですが『いい時と悪い時の差』が大きいともいわれています。先日のヴィクトリアマイルでは2番人気プリモシーンに騎乗しましたが、出遅れた上に大外を回し、好枠を活かせず8着惨敗。いいところがありませんでした。
その前日のダノンスマッシュの騎乗が鮮やか過ぎたため、そのギャップを感じる人も多かったようです。安田記念では『どちらに転ぶのか』と心配する声もありますよ」(同上)
高い能力で安定感あるレースをするダノンプレミアムだが「出遅れ」ればかなり致命的である。レーン騎手はうまく導けるだろうか。
(文・取材/権藤正一・競馬担当)