
10日のNHKマイルC(G1)は、9番人気ラウダシオンが勝利するという波乱の決着。多くの馬券ファンが涙に暮れたのは想像に難くないが、そんな中、このレースに関し「日本で一番喜んだ男」がいる。
それが、ラッパーのSEAMOである。過去に「マタアイマショウ」「ルパン・ザ・ファイヤー」でヒットを飛ばした人物だが、実は以前から「一口馬主」としても知られている。
今回のNHKマイルCで、なんとSEAMOが一口持っている馬は4頭いた。勝ち馬のラウダシオンにはじまり、3着ギルデッドミラー、5着ルフトシュトローム、7着ウイングレイテストと、そのうち3頭が掲示板を確保するという離れ業である。
所有はシルク2頭、サンデーレーシング1頭、ウイン1頭という内訳だが、SEAMOとしても初G1制覇である。敗れたルフトシュトロームは2番人気であり、十分に期待が持てるラインナップではあったのだが……。
それにしても見事な結果を残したSEAMO。喜びもひとしおだったようで「ついにやりました!」と「スポニチ」の取材に喜びを爆発させている。現場の記者も「芸能人の中で成功例」と語る。
エピカリス、タッチングスピーチも持ってた
「見事すぎる結果になったSEAMOさんですが、その競馬好きは筋金入り。これまでもルーカス、エピカリス、タッチングスピーチなどに出資していますが、いずれもそれなりの実績馬で、その相馬眼が確かなのがわかります。
今回賞金を『荒稼ぎ』したことで、ますます競馬への気持ちが強くなりそうですね。芸能界馬主では佐々木主浩さんや前川清さんがG1を制していますが、一口といえば司会者の草野仁さんはブエナビスタなどを、元プロ野球選手の山本昌さんはアルアインを一口所有していたことでも有名です。今後も芸能人馬主さんの話は時折話題になるでしょう」
一躍競馬界の「時の人」となったSEAMO。ラウダシオンらは今後も重賞戦線での活躍も期待できる素質がありそうで、まだまだ盛り上げてくれることだろう。
一方で「SEAMOってそんなにお金持ってるんだ」という率直な感想も。一口とはいえ、そんなにたくさん馬を所有していることに驚きの声もある。前述の記者が「資金は十分にあるはず」と続ける。
歌手印税を、なめてはいけない
「SEAMOさんはブレイク時の収入+印税は毎年入りますし、ルパン三世のパチンコ機に『ルパン・ザ・ファイヤー』も提供していますから、その権利収入も相当ではないでしょうか。一口数十万円の共同馬主なら、何の問題もないでしょう。過去の所有馬を見ても全く稼いでいない馬ばかりというわけでもないですし、案外損失もさほどではないかと思います」
ちなみに今年1月、ベストアルバム『PERFECT SEAMO』もリリースしている。堅実に音楽活動もしているようなので、心配はご無用のようだ。
ラウダシオンはどうやら日本ダービーで二冠、ではなくマイル王になるべくローテを組むようだ。これを機に競馬界に「SEAMO旋風」が吹き荒れるかもしれない。
(文・取材/権藤正一・競馬担当)