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武豊(JRA)「選択の意味」NHKマイルC・サトノインプレッサの期待値と「お天気」

武豊(JRA)「選択の意味」サトノインプレッサの期待値と「お天気」

 10日に東京競馬場で開催される3歳マイル王決定戦のNHKマイルC(G1)。近年は好メンバーが集まらないレースというのが一般的だったが、昨年はアドマイヤマーズやグランアレグリアの参戦で大いに話題になった。

 そして今年も、2歳女王レシステンシアの参戦で注目度は非常に高い。その最大の対抗馬と見なされているのが、武豊騎手のサトノインプレッサ(牡3 栗東/矢作芳人厩舎)だ。

 昨年の年度代表馬リスグラシューを管理した勢いは今年も継続中の矢作厩舎。今年も調教師リーディングは2位の19勝、モズアスコットで芝ダートのダブルG1制覇を達成し、コントレイルで無敗の皐月賞制覇も実現。今年も「矢作の年」と囁く関係者は非常に多い。

 今回送り出すサトノインプレッサも3戦3勝、毎日杯(G3)も良血アルジャンナらを相手に余裕しゃくしゃくの中団抜け出しで完勝。レースぶりに派手さはないが、信頼性の高い安定した走りを見せている。

 毎日杯からはレジェンド・武豊騎手が騎乗しているが、期待は大きいはず。現場に精通する記者が語る。

移動制限で生じた「究極の選択」

「現在、新型コロナウイルスの影響で騎手の移動制限があり、土日で別の競馬場に騎乗することができません。武豊騎手は当然『G1を優先』ということで東京を選んだわけですが、理由はそれだけではないでしょう。

9日土曜の京都メインは京都新聞杯。ここには2戦2勝のアドマイヤビルゴが参戦しており、ここまで武豊騎手が騎乗しました。ここを勝利すればまず間違いなく日本ダービー出走を予定すると思われます。武豊騎手としても乗りたかったでしょうし、ダービーを意識すればこちらを優先させることも考えられました。今回、アドマイヤビルゴは藤岡康太騎手が騎乗となります。

もしサトノインプレッサがNHKマイルCで上位人気になる馬でなければ、武豊騎手の選択は変わっていたかもしれません。アドマイヤビルゴはそれほどの期待値があります。しかしそうしなかったのは、サトノインプレッサに十分に勝利の可能性を感じているからでしょう。1番人気が予想されるレシステンシアにも騎乗していて、力関係はある程度把握できるわけですしね。サトノインプレッサもそれほどの大器ということでは。

武豊騎手は自身のブログで『移動制限は不便』と不満を漏らしていましたが、最大の理由はこの2頭ではないでしょうか。難しい選択ですが、アドマイヤビルゴが勝つことを武豊騎手も祈っているかもしれません」

 アドマイヤビルゴは、故・近藤利一氏が武豊騎手に、と遺した馬であり、優先度としては確実に高いはずだ。武豊騎手には現状、マイラプソディ(近走振るわず)、サトノインプレッサ、アドマイヤビルゴとお手馬がいるが、サトノインプレッサは現状ダービー参戦を明言していない。

 移動制限によって騎乗を選択せざるを得なかった武豊騎手。果たして今回の選択は「吉」と出るのか。本人としては、今週は「2頭の勝利」を意識する週末となりそうだ。

 ただ、サトノインプレッサに関しては一つ「懸念点」があると前述の記者は続ける。

3戦すべてが「良馬場以外」という点

「デビューから重、重、稍重と、まだ良馬場で戦った経験がないんですよね。幸い今週日曜は現状は雨予報で、もし馬場が渋ればサトノインプレッサにとってはキャリア的には好都合。でも、もしパンパンの良馬場による高速決着となれば……経験不足が出るかもしれません。

昨年の春の東京はレコード決着が相次ぎましたし、今年もそんな馬場になる可能性は否定できません。左回りコースも初めてですから……いろいろと懸念はあると思いますよ」

 サトノインプレッサが越えなければならないハードルは、少なくはないようだ。武豊騎手がどう導くのかに注目したい。

(文・取材/権藤正一・競馬担当)