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武豊(JRA)キセキ「暴走」完敗…Mr.天皇賞も苦肉の逃げは無理?

武豊(JRA)キセキ「暴走」完敗…Mr.天皇賞も苦肉の逃げは無理?

 天皇賞の代名詞といえるこの男も、今年は飲み込まれる立場だった。

 5月3日の天皇賞・春(G1)にキセキ(牡6 栗東・角居勝彦厩舎)で出走した武豊騎手。春の天皇賞はイナリワン、メジロマックイーン、キタサンブラックなど8勝とまさに「盾男」ということで、仮にそれほど人気馬に騎乗しなくても一定の注目を集めてしまう。

 無論、キセキは今回のメンバーの中で「3強の一角」という扱いであり、決して不人気というわけではなく3番人気。しかも「逃げ・先行」が得意なタイプで、キタサンブラックによる逃げでの天皇賞・春連覇がある武豊騎手には、当然多くの期待がかけられていた。

 しかし、今年に関してはそのキセキの「逃げ」が仇となってしまった。

武豊にとってあからさまな「誤算」

 前走の阪神大賞典で大出遅れをかまし7着に敗れてしまったキセキだったが、この日はすんなりスタートを出る。まずは「第一関門突破」だ。その後はダンビュライト、スティッフェリオの背中を追う3番手の好位置を獲得する。

 しかし、1周目の正面スタンド前で「誤算」が生じた。キセキは明らかに前に行きたがる素振りを見せ、武豊騎手の必死の抑え込みも実らず、グングンと前進。結果、正面スタンドを過ぎる頃には先頭に立ってしまった。

 その後も単騎逃げの形となり、最後の直線も先頭で迎えたキセキ。直線では粘りを見せるも、残り200mで一気に飲み込まれ6着に敗れてしまった。現場記者は、そのレースぶりを回顧している。

すでにステイヤーとしてのメンタルじゃない?

「スタンド前であからさまにかかってしまったエネルギー消費がすべてでしょうね。ゴールを勘違いしてしまったのか、それとも気性によるものなのか。ただ、あの時点で前に壁となる馬がいなくなってしまい、制御が効かなくなってしまったという点もあるでしょう。

ただ、もったいないことといえば、キセキがスタートから1コーナー通貨時にいた3番手をレース中盤以降に確保したのが、ハナ差2着のスティッフェリオという点ですね。もしあそこで折り合いがつけば、理想的なレースになっていたかもしれません。もちろん『たられば』は禁物ですが、今年のメンバー構成、キセキの能力を考えると、否定はしづらいです。

武豊騎手といえば、2005年の菊花賞でディープインパクトが最初の正面スタンドあたりで折り合いを欠くというシーンがあり『馬が(1周目で)ゴールだと勘違いした』と述懐していますが、それを思い出しました。あの時は圧勝しましたが、ディープインパクトですからね(笑)。

最近は以前ほど成績も安定しなくなり、長距離向きのメンタルでなくなっている可能性もあります。昨年好走した宝塚記念には出走するでしょうが、今後のローテーションは思案が必要になりそうです」

 武豊騎手は、一度先頭に立ってしまってからはそのまま逃げを選択。今のキセキの折り合いを考えればそのまま行かせるしか道はなかったかもしれない。

 今回は思うような走りができなかった武豊騎手。来週からは5週連続東京G1が開催される。有力馬騎乗も多いので、改めて注目したい。

(文・取材=川島丈太郎)